65歳と89歳のおばあちゃん - 介護奮闘記?

65歳の娘と89歳の母の介護(介助)にまつわるエピソードが中心です。年齢とともにきっと皆が経験する話を日記で書いていきます。時々普通の日記も。

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入れ歯や補聴器の方が……

 90歳近くになっても、26本全部自分の歯であることやよく聞こえることは、母にとっては自慢できることだ。

 

 デイサービスでのことで時々話題になるのは、入れ歯ではないから有り難いという話。

デイサービスでの昼食の後、スタッフの

「はい、皆さん、入れ歯を洗ってくださ~い。」という合図で、他の人は一斉に入れ歯を外すのだそうだ。あまり想像したくはないが…。

 母は、歯ブラシで歯を磨く。すると、周りの人から、「すごいね~、全部自分の歯でうらやましい。」と言われるそうだ。

 また、カラオケをしているときにも、音量を大きくしても聞こえにくい人がいるようだが、聞こえのよい母は外さずに歌えるようだ。

 

 そんな話をするときはやはり嬉しそう。歯が痛いから通院とか耳が聞こえないから騒音?などと考えると、確かに有り難いことだと思う。

 

 けれども、母の今の状態を考えると悩ましい。ベッドから自由に起きあがれなかったり、支えが無いとすぐ転倒してしまうよりは、入れ歯でも補聴器でもその方がまだいい。入れ歯や補聴器の苦痛は分からなくて申し訳ないが、「筋力無し」は嫌だ。そのうちトイレもいけなくなってしまうだろう。

 

 母は、先週デイサービスのお迎えを待っているとき、自分の部屋で、なぜかまた転倒した。受け身もできず、捨て身(?)のように前方に。メガネも壊れ、眉の下から血が吹き出した。傷はそれ程ひどくなかったが、今も、体中の筋肉が痛くてベッドに座るのも辛そうだし、やっとのことでお風呂場に連れて行ってもつっ立ったまま。だから、あれこれ不満を言われながらも、私がシャワーを浴びさせている。「好きなだけ寝させてよっ。」と昼食もおやつも食べさせるのに大騒動。ベッドに横たわっている時間がますます長くなった。

 

 今日の昼食後、母は、不意に、

「痛くて動けないのは嫌だなぁ。入れ歯でも補聴器でもその方がまだいいかも。」などと珍しく笑いながら言った。チャンスと思い、転ばぬ為の、運動機能回復や杖のトレーニングを促した。でも、

「そんなことまでして長生きしたくないわ。」

といつものセリフが返ってきた。(しまったあ)

寝たきりでも長生きするのにね・・。