65歳と89歳のおばあちゃん - 介護奮闘記?

65歳の娘と89歳の母の介護(介助)にまつわるエピソードが中心です。年齢とともにきっと皆が経験する話を日記で書いていきます。時々普通の日記も。

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「迷惑かけたね」の一言

 今朝、母は、昨日のことを何も覚えていなかった。寝ている時に、自分で頭の包帯やネットを外してしまったようで、枕カバーも血だらけ。「どうしてこんなに汚れているの?」

 救急車のことも、粗相のことも、昨日1日でTシャツ(有松絞りの高価なもの)やズボンを2着ずつ台無しにしたことも話した。

 病院から帰るとき、「早くっ、靴下はないのかぁ」と私に怒る母に、看護士さんが「救急で帰るのに、着替えや靴が用意されているって有り難いことですよ。」とたしなめながら靴下を履かせてくれたことも。母は、その時、血が乾いて固くなったTシャツと、下は、病院が履かせたオムツだけだったことも。

 

 恥ずかしく嫌な思いをさせると思ったが、迷惑かけたの一言も無く、「私はそんなことをするはずがない」という顔でいる母に対して、黙っていられなかった。私の都合に合わせてくれた昔の仕事仲間8人(含現役5人)との会食もドタキャンせざるを得なかったし。

 こういう自分にも腹立たしい。でも、母は、全て忘れているのだろう。

 

 

粗相、救急車搬送

買い物から帰宅したら、夫が、

「おばあさん、トイレに入ったり出たりいつもより頻繁で、調子悪いんじゃないか」と。

 1時、(門扉外の)手すり工事の人が来る時間だ。しばらく対応して家に入ると、母は、部屋のタンスの引き出しを開け閉めしていた。ただその時の母の部屋の臭いが異様。

 

 悪い予感が当たった。母からも便の臭いが。母は、汚したパンツを脱いで、部屋のゴミ箱に捨て、下着無しでパジャマのズボンをはいて、パンツを探しているところだった。(どの引き出しに入れているか忘れてしまっている。)

 

 トイレの始末を後にして、先ずは母を洗って着替えさせようと風呂場へ。服を脱ぐように促すが、

「パンツをはこうとしてるのに、訳の分からんことをせんといて。」と母。「訳の分からんことをしているのは、おばあちゃんでしょっ。」…………トイレと母の部屋のそうじ、洗濯、消毒を済ました頃には、母は、何事もなかったように寝ていた。

 

 4時頃、手すり工事の人がセメントの具合を見に再び来た。でも、インターホン越しに聞いた言葉は、「おばあちゃんが血だらけで倒れてますよ。」だった。リビングにいて気づかなかったが、母は、縁台の所でしゃがんでいた。

 救急車を依頼して、N総合病院へ。夫は、縁台や庭先の後始末をしてから病院へ駆けつけた。頭部を打ち出血は多かったが、傷は縫うほどではなく3時間ぐらいで帰宅できた。

 

 雨天時の粗相や雨足の増す中での救急搬送など、母はもちろん、夫も私もどっと疲れた。そして、下半身の筋力の大切なことを思い知らされた。母もこれに懲りていればよいが、…。

 

 

 

 

まさに「いきいき」…まぼろし~。

 午後、市の「いきいき訪問~訪問型介護予防事業」で、ケアマネージャーと市の保健師理学療法士の3人の訪問を受けた。(3週間程前、市の高齢福祉課に申し込んでいたもの。)

 

 まず、握力(14kg)や座ったり立ったりの回数、片足立ちの秒数(1~2秒)、リビングを往復(いつもは摺り足掴まり歩きなのに、何も掴まらずに前後に足を出して歩いていた!)などの体力測定?をした。

 その後、転んで動けなくなった時の起こし方や一緒に歩く方法など教えてもらった。

 

 私も夫も腰を傷めているので、転倒後、うつ伏せ→這わせて→つかまり立ちさせて……とか、介助は腰を持つとか、向き合う距離をかなり置いての立ち上がらせ方などどれも勉強になった。1時間ぐらいという時間制限のためか、浴槽からの立ち上がらせ方については、再来週教えてもらえることになった。

 

 午前中、眼科の診察を受けて起きている時間が長かったからか、母は、極めて明るく、声も若返り、足取りも軽く…。まさに、「いきいき」としていた。普段のあの気だるそうな不機嫌そうな様子は全くなく、こちらが不愉快になるほど。

 この1年見てくれているケアマネさんも、何度も「こんなにお元気なのは、最近ないですね。信じられないわ。」と繰り返していた。

 

 夫は、「だから、家に閉じこもらせず、デイサービスも増やせるといいな。おばあさんにとっても家族にとっても…。」と言っていた。

 3人が帰ったら、別人のように返事もせずまたベッドに横たわっていた。そして、夕食前起こそうとしても、ベッドに座ることもましてそこから立ち上がることも難しくなっていた。昼間、私たちが見せられたものは、一体何だったのだろう。まぼろし~。

チャレンジ「うた」三首

梅雨晴れ間

気に入りパジャマ

脱ぎ渋り

母の中では

今日洗い立て

(洗い替えのズボンを買って来ても気に入らなくて捨ててしまった。「まだ洗わなくてもいい。」と母。)

 

点眼を

したとごまかし

逸らす目に

映る紫陽花

微かに見える

(「まだ見える方の右目を、周りの人が守っていかないと…。」という眼科医の言葉を思い出して、結局、付きっ切りになる私。)

 

楽しいこと

嬉しいことを

仕組んでも

母に届かず

哀しさつくる

(お菓子を買いに行こう、通院後何か食べて帰ろう、ベッドでできる体操あるよ、美容院に行こう…。誘っても、返ってくるのはため息と不機嫌な顔、拒絶。誘わなきゃよかったと毎回滅入るも、懲りない私。)

入れ歯や補聴器の方が……

 90歳近くになっても、26本全部自分の歯であることやよく聞こえることは、母にとっては自慢できることだ。

 

 デイサービスでのことで時々話題になるのは、入れ歯ではないから有り難いという話。

デイサービスでの昼食の後、スタッフの

「はい、皆さん、入れ歯を洗ってくださ~い。」という合図で、他の人は一斉に入れ歯を外すのだそうだ。あまり想像したくはないが…。

 母は、歯ブラシで歯を磨く。すると、周りの人から、「すごいね~、全部自分の歯でうらやましい。」と言われるそうだ。

 また、カラオケをしているときにも、音量を大きくしても聞こえにくい人がいるようだが、聞こえのよい母は外さずに歌えるようだ。

 

 そんな話をするときはやはり嬉しそう。歯が痛いから通院とか耳が聞こえないから騒音?などと考えると、確かに有り難いことだと思う。

 

 けれども、母の今の状態を考えると悩ましい。ベッドから自由に起きあがれなかったり、支えが無いとすぐ転倒してしまうよりは、入れ歯でも補聴器でもその方がまだいい。入れ歯や補聴器の苦痛は分からなくて申し訳ないが、「筋力無し」は嫌だ。そのうちトイレもいけなくなってしまうだろう。

 

 母は、先週デイサービスのお迎えを待っているとき、自分の部屋で、なぜかまた転倒した。受け身もできず、捨て身(?)のように前方に。メガネも壊れ、眉の下から血が吹き出した。傷はそれ程ひどくなかったが、今も、体中の筋肉が痛くてベッドに座るのも辛そうだし、やっとのことでお風呂場に連れて行ってもつっ立ったまま。だから、あれこれ不満を言われながらも、私がシャワーを浴びさせている。「好きなだけ寝させてよっ。」と昼食もおやつも食べさせるのに大騒動。ベッドに横たわっている時間がますます長くなった。

 

 今日の昼食後、母は、不意に、

「痛くて動けないのは嫌だなぁ。入れ歯でも補聴器でもその方がまだいいかも。」などと珍しく笑いながら言った。チャンスと思い、転ばぬ為の、運動機能回復や杖のトレーニングを促した。でも、

「そんなことまでして長生きしたくないわ。」

といつものセリフが返ってきた。(しまったあ)

寝たきりでも長生きするのにね・・。

 

 

私の誕生日


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今日は私の誕生日。

仕事から帰ると、夕ご飯には、夫オリジナルの散らし寿司が用意されていた。私の好きなブルーベリーのケーキ添え。

誕生日は、幾つになっても嬉しい。美しい生き方をしたいな…などとちょっとだけ思う。

 

母が、テーブルにつき、

「今日は誰かのお祝い? Mさん(夫の名)の誕生日かな?」

と。夫が、

「今日は○(私の名)の誕生日だよ。娘の誕生日は覚えていないと…。」

と言ってくれた。

 

「私を産んでくれた日だよ。ありがとうね。」「じゃあ、○○(私の妹)の誕生日は?」

と私。母は、

「4月○日」

とすらすらと正しく答えた。

私は二人姉妹で、妹は(新幹線を使っても)5時間はかかる所に住んでいる。思いは複雑。聞かなきゃよかったぁ(笑)

 

 

 

市の「短期予防訪問サービス」

母がちょっとしたことで転ぶようになった。それは以前からだが、転んだ後、もう自力では全く動けなくなった。そのたびに夫が起こし役。私は、椎間板ヘルニアを15、6年前から患っているから。

 

でも、この頃、頼みの綱の夫の腰が危うい。痛みが続いているようだ。夫は今年68歳だが足腰は丈夫だったのに…。母の転倒が、室内でも頻繁になり(週に1回はあり)、さらに、全く起き上がれず全身に力を入れてしがみつくので。

介護の仕方など書籍やネットで学ぼうとしたが、なかなか難しい。

 

ケアマネージャーが訪問した時、そのことを相談してみた。その2日後、連絡があり、リハビリや介護予防、生活環境のアドバイス理学療法士など専門家から自宅で学べる市のサービスがあるとのこと。

要支援1か2の人が対象で、1~4回自宅に出張してもらえ無料らしい。

 

母の抵抗も激しいだろうと悩んだが、ケアマネージャーの言葉に励まされた。

「○○(母の名)さんは、家族には抵抗しても、理学療法士が来たら感じのよい対応をなさると思いますよ。デイでもにこやかです。それより、家族が倒れたら取り返しがつかないから、コツなどアドバイス受けた方がよいでしょう。」と。なる程、その通り。

 

早速、申込み手続きをしてもらった。